微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

機械の目と人間の目

 

表情分析に詳しい知人が面白い試みをしてくれましたので、本日はそれをご紹介させて頂こうと思います。

 

日本でも人の表情を読み取る機械やソフトが数種類販売されており、様々なサービスに利用されています。身近なところでは、カメラについた笑顔認識の機能ですかね。最近の話では、空港のセキュリティーに表情・個人を自動的に認識するカメラを取り入れようとする試みがニュースで放送されていました。

 

そんな表情を認識するための機械の目がどれだけ正確かを、私の知人が実験してくれたのです。

 

機械の目の前に自分の顔を向け、「怒り」「驚き」「幸福」「悲しみ」などの表情を作ります。

 

その結果、

 

その某表情認識ソフトは、「驚き」を「怒り」と間違って認識したようなのです。

 

その知人が機械の目に見せるために作った「驚き」表情は、「眉を上げる」+「目を見開く」+「口を開ける」という「驚き」の典型的な表情でした。典型的な「怒り」表情というのは、「眉が下がる」+「唇に力を入れる」というものなので、「驚き」とは全く正反対な表情です。

 

人間の目にとって誤認識しやすい組み合わせは、

「幸福」と「軽蔑」

「怒り」と「嫌悪」

「恐怖」と「驚き」

です。

 

その理由は、それぞれのペアに使われている表情筋に類似点があるからです。例えば「恐怖」も「驚き」も、ともに「眉が上がる」+「目が見開く」+「口を開ける」という動きを共通として持っており、「恐怖」はこれらの動きに他の表情筋の動きが追加されます。

 

その表情認識ソフトの精度を試した場、つまり、光の加減や影の存在が、ソフトの認識に影響を及ぼしたのでしょうか?

 

もしくは、そのソフトがよって立つ「表情理論」に問題があるのでしょうか?

 

真相は謎ですが、そのソフト、何なら私がコンサルしましょうか?笑

 

機械の目と人間の目、何が同じで何が違うのか、非常に興味深いテーマです。

 

 

清水建二