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微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

顔で診る

 

 私たちは自分の身体に異変を感じると、家族や周りの人にその状態を言葉で伝えようとします。また病院に行き、医師に言葉を使って説明します。しかし、自分の身体の辛さ、痛さを適切な言葉で伝えられないとき、共感してくれる人を全て失ってしまったような感覚に襲われ、寂しさ、歯痒さ、苛立ちを感じてしまうことがあると思います。

 

 幼児や知的障碍者認知症、何らかの理由で言葉がうまく話せない方々が痛みを訴えたくても訴えられないとき、そうした感覚の程度がさらに大きくなってしまうのではないかと思うに想像に難くありません。

 

 そうした方々を含め、適切に言葉にできない「痛み」を理解するために、顔から「痛み」の状態を判断する研究がなされています。

 

「痛み」を感じる時、私たちの顔の表情はどのように歪むのでしょうか?言い換えるならば、どんなふうに顔の筋肉が動き、どんな表情として「痛さ」が顔に表れるのでしょうか?

 

様々な痛さの刺激に対する表情の変化を記録した研究をご紹介したいと思います。

 

この記録によれば、私たちが「痛み」を感じる時、

 

・ まゆが下がる

・ まぶたに力が入る

・ ほほが引き上げられる

・ 鼻の周りにしわができる

・ 上唇が引き上げられる

・ 目を閉じる

 

といった動きが単独、もしくは同時に起こり、痛さの程度が増すと、これらの筋肉の動きの程度も正比例して増す、とのことです。

 

 さらにこれらの顔の動きは、他の様々な研究でも同様に一貫して観られ、人が「痛さ」を感じる時に表れる万国共通の表情ではないかという説が有力視されています。

 

 この度ご紹介させて頂いた研究以外にも、幼児や認知症患者を対象にしたり、病気別の「痛い」顔を記録した研究があります。このブログやセミナーでまたご紹介できればと思います。

 

 

清水建二

参考文献

K. M. Prkachin, “The consistency of facial expressions of pain: a comparison across modalities,” Pain, vol. 51, no. 3, pp. 297–306, 1992.