微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

表情分析という専門技術を学ばれたい方へのアドバイス

 

本日は、表情分析の技術を習得されたい方にアドバイスをさせて頂きたいと思います。

 

まず表情分析とは、

 

表情筋の動きを客観的に記述し、その動きを感情や思考に紐づけし、感情や思考が生じた理由を推定すること、

 

と私は定義しています。

 

この技術を習得するには次の3つについて深い学び及びトレーニングをする必要があります。

 

①表情筋の動きを客観的に記述すること

表情筋の動きを客観的に分析するためのマニュアルを習得する段階です。表情分析のためのマニュアルはいくつかありますが世界標準と呼べるマニュアルはFACSです。正式にはFacial Action Coding System:顔面動作符号化システムと言います。

 

近年、自動的にFACSコーディングしてくれるアプリがありますが、精密な分析においてはFACSを習得した認定FACSコーダーの専門家による分析(視認)の方が、人の顔の動きを正確に分析することが出来ます。

 

また、いつの日か人間の専門家を越える精度を持つ自動化FACSアプリが開発されたとしても、FACSを習得する必要はあると考えます。

 

アプリで出来ても自力で出来ない、という状況は、統計ソフトを使えてもそのロジックがわからない、計算機で計算できても自力で四則計算出来ない、ということと同じだからです。

 

ちなみに日本で表情分析を行っている専門家の中でFACSを習得している方はほとんどいません。自分なりの表情分析の手法を用いているか、経験則か、顔の筋肉に直接電極を差して計測するような特別な計測機器を用いている方が大半です。

 

さてFACSを習得しても、いわゆる人の心は読めません。次の段階に進みます。

 

②感情や思考と紐づけすること

 

FACSでは顔の動きをAUという記号でコード化するのですが、このAUはあくまでも記号です。言わば、顔の動きの目盛りのようなものです。AUの組み合わせがどんな感情や思考を意味すのか、つまりAUと感情・思考とを紐づけする必要があります。

 

それにはどうすればよいか。

 

FACSマニュアルの中に代表的なAUと感情との関連性については書いてありますが、本当に代表的なものだけですので、実務の分析においてFACSを活かすには、大量の論文を読み込む必要があります。

 

ある実験状況で〇〇なAUが観測された、自己報告による感情変化とAUとに●〇な関連が観測された、ある自律神経系の動きとAUの動きに■■な関係が観測された…etc

 

こうした知見の蓄積を収集し、AUの意味付けを行います。FACSの習得には半年ほどの集中的な学習を要しますが、AUと感情・思考との紐づけを出来るようになることの方がFACS習得の何倍も大変な時間と労力が必要です。

 

さて、この段階においてAUと感情・思考との紐づけが出来ました。しかし、このことを持って人の心が読める、にはなりません。

 

単純な話ですが、目の前にいる人が鼻のまわりにしわを寄せる=AU9=嫌悪表情を浮かべていることがわかったとしても、なぜ嫌悪なのか、何に対して嫌悪なのかはわかりません。つまり嫌悪の源泉はこの段階ではわからないのです。

 

したがいまして、次の段階に進みます。

 

③感情や思考が生じた理由について推定すること

 

いわゆる人の心を読む段階です。これは究極的には、名人芸、暗黙知、経験則の世界です。

 

ある文脈で、ある人物が、〇〇な表情を▽▽なタイミングで表出させた。その理由は…

 

こう語るには、その文脈や人物についての深い理解が必要です。もちろんある程度は科学論文から文脈や人物との感情の関連性について学ぶことが可能です。分析過程において分析対象人物の「表情のクセ」からその人物の心に論理的に迫ることも出来るでしょう。

 

しかし人間の心の究極的な世界はまだまだわからないことだらけです。したがいまして、心の推定精度を高めるには、常日頃の科学知見の収集だけでなく、リアルな生を感覚的に、体験的に生きていく必要があるのです。①や②よりずっと大変ですが、ずっと楽しい過程なのです。

 

①の世界を垣間見たい方は、拙著『顔としぐさで相手を見抜く』フォレスト出版を読んでみて下さい。

 

②と③の世界を垣間見たい方は、拙著『微表情を見抜く技術』飛鳥新社を読んでみて下さい。

 

認定FACSコーダーである専門家から表情分析について直接学ばれたい方は、弊社の講座にいらして下さい。次回開講予定は、10月です。8月くらいにお申し込みを開始させて頂きます。弊社HPのニュース・イベント欄にコッソリ表示させますので、ご興味ある方は8月くらいからチェックしてみて下さい。

 

「顔」と「しぐさ」で相手を見抜く

「顔」と「しぐさ」で相手を見抜く

 

 

微表情を見抜く技術

微表情を見抜く技術

 

 

 

清水建二

開催レポート:2018年4月22日(日)開催!微表情から患者さまの心理を読み取ろうByたんぽぽ薬局(株)

 

先週の4月22日(日)、名古屋のたんぽぽ薬局様の研修所にて「微表情から患者さまの心理を読み取ろう」インターンシップセミナーを行わせて頂きました。

 

対象は薬学部の学生さんです。将来、薬局などに勤めたときに起こり得る様々なシチュエーションをケースに「患者さまの〇〇の表情・微表情のときどうする?」を学生さんに意見を出してもらいながら、表情観察のコツや感情の仕組みなどを紹介させて頂きました。

 

服薬指導中、熟考表情の患者さま…どんなふうに接しますか?

「調子はいかがですか?」に悲しみの微表情で「最近調子が良いです。」…どんな表情で接しますか?

健康指導中、嫌悪微表情の患者さま…どんなアドバイスをしますか?

「お薬飲めていますか?」に恐怖微表情の患者さま…どんな表情で接しますか?

 

などなど、こうしたシュチュエーションを具体的なケースに落とし込み、表情や微表情は動画を見ながら、本当に各表情・微表情を読み取ることができるかを何度もトレーニングし(静止画像で表情・微表情がわかったとしても、動画だとなかなか読み取りは難しいので沢山トレーニングします)、ケース×表情・微表情×接し方を参加してくれた学生さんなんと!ほぼ丸一日、10:00~16:30までさせて頂きました。

 

さらに今回は少人数のセミナーで一人一人の学生さんにじっくり考えて頂き、一人一人から意見を聞くことができ、濃厚なセミナーとなりました。

 

 

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みんなでランチを終え、午後の部スタート!

 

本セミナーの前日にも薬剤師予備校の先生を招いた少人数セミナーが開催されていたようで、一人一人の参加者の学生さんにかけるたんぽぽ薬局さんの本気度が垣間見えました。たんぽぽ薬局さんのモットーは、

 

「薬剤師(ひと)が育つ、薬剤師(ひと)を育てる」

 

です。

 

学生時代を終え社会人となるとき、誰もがその新しい世界に対して期待や不安を抱くと思います。どちらも不確定な未来について漠然と感じられる感情です。楽しいことはあまり明確にわからないでいた方が実現したときその程度は大きくなります。だから期待は想像でとどめておいた方がよいと思います。一方、不安や心配は明確にしておくとよいと思います。予防策を練ることでそれらを回避することもできますし、それらが的中したとしてもダメージを最小限に抑えることができるからです。また不安や心配だったことが実は、心躍るような楽しいことだったり、自分を成長させてくれるものだったり、心配すべきことではなかったりすることもあります。それらは不安や心配を理解しようとしたときに見えてきます。

 

そんな期待や不安を糧に薬剤師(ひと)を育ててくれるのが、たんぽぽ薬局さんなのだなと、本セミナーに限らずたんぽぽ薬局さんの各種研修制度を見ていて感じられてきます。

 

 

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期待や不安を糧に学びを。でも仕事に慣れてくると色々忘れたりします、端折ってしまいます。。そんなとき様々な研修で初心に帰ったり、さらなる高みをめざしたり。

 

本セミナーに参加して下さった薬学部の学生さん、どうもありがとうございました。セミナーで学ばれた表情の観察ポイントと感情の扱い方を一つでも二つでも実践して頂ければ嬉しいです。

 

本セミナーの企画・運営・設営を担当下さったたんぽぽ薬局の人事部の皆さん、どうもありがとうございました。スムーズにとても気持ちよく仕事させて頂くことができました。

 

皆さま、期待しております、またどこかで会える日を。

 

 

おまけ 

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セミナー終了後にちょっと観光?散歩?オアシス21。ここのカフェで仕事して疲れたら水上散歩。名古屋に住んだら習慣化したいと思った瞬間。

 

 

清水建二

2018年2月24日(土)キャリタス就活2019DISCOイベント振り返りとお知らせ

 

本日は、先々月開催されましたキャリタス就活2019 by DISCO様のイベントを振り返らせて頂こうと思います。

 

場所は、東京ビックサイトです。

 

【直前面接対策】頭が真っ白にならないためには?をテーマに、自分と面接官の感情をサポートすることで効果的な面接を構成するためのストラテジーについてお話しさせて頂きました。

 

面接本番直前ということで、1,000人以上の就活生のみなさんが本セミナーを聞きにきてくれました。

 

 

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Photo by DISCO

立ち見の就活生のみなさん。席が足りなくてごめんなさい。真剣に聞いて下さりありがとうございました。

 

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Photo by DISCO

 

セミナー内容の柱としては主に二つ。

 

①面接前に出来ること

②面接中に出来ること

 

①では、とにかく面接に望む前の準備の大切さをお話しさせて頂きました。普通の面接対策本では「ぼやっ」としか書かれていない部分について、「感情」をキーワードに明確にお伝えさせて頂きました。②では、面接中でも面接官のこんな表情に注意すれば頭が真っ白にならずにちゃんと落ち着いて面接官の話を聞き、自分を伝えられますよ、という方法についてお伝えさせて頂きました。

 

2月に本セミナーを聞きに来てくれた就活生のみなさん、今頃どうしていますでしょうか?

面接順調に進んでいますか?もう内々定でしょうか。いや、まだちょっと…でしょうか?こだわりがあってまだ色々決めかねています!でしょうか?

 

まだ色々悩みを抱えている就活生のみなさんへ。

来月5月10日(木)東京開催の「キャリタス就活2019」のイベントにぜひ足を運んで下さい。

様々な企業の方々や就活生と交流することで新しい刺激ややる気がきっと湧いてくると思います。

そして、清水もセミナー講師として登壇させて頂きます。

 

清水の登壇時間は11:00~11:50です。

 

今回は、【超直前!】本命面接を切り抜けるために今すべきこと、をテーマに、

最終面接や役員面接に対する心構えと対策についてビジネスの実務世界と心理学の見地からお話しさせて頂きたいと思います。

 

・面接が進むたびに意識すべきこと

・自分が出来ることとしたいこと

・「攻め」あるいは「守り」のコミュニケーションのタイミングを面接官の表情から察する方法

・不安を力に変えるマインドセット

・表情としぐさをコントロールして自信の「器」をつくる方法

・表情としぐさをコントロールして面接官に自分の熱意を適切に伝える方法

 

こうしたTipsを具体例を交えながらお話しさせて頂きたいと思います。

 

詳細及びお申し込みは以下のURLをご参照ください。

https://job.career-tasu.jp/2019/event/detail/160/

 

それでは会場で皆様とお会い出来ますことをお待ちしております!

 

 

清水建二

開催レポート:第二弾!微表情から患者さまの心理を読み取ろう×薬剤師との座談会byたんぽぽ薬局(株)

 

2018年の年が明け、たんぽぽ薬局株式会社さま主催のセミナーを名古屋、金沢、大阪、名古屋と3都市合計4回とまさにライブツアーの如く!行わせて頂きました。

 

参加して下さった学生さん、様々な調整や準備をして下さった人事の方々、本当にありがとうございました。全ての皆様の想いが集まり、笑顔溢れるあたたかなイベントとなりました。

 

各日10:00~12:00に微表情セミナーが行われ、13:00~16:30に学生さんと薬剤師さんとの座談会が行われ、たんぽぽ薬局さんのモットー、「薬剤師(ひと)が育つ、薬剤師(ひと)を育てる」が随所に光るイベントでした。

 

微表情セミナーでは、表情・微表情から患者さまの気持ちに合う接客をする方法を画像・映像を用いた表情検知トレーニング、気持ちの察し方・伝え方ワーク、ロールプレイングなど多彩なエクササイズを通じて、学生の皆さんにお伝えさせて頂きました。

 

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微表情検知テストを真剣に受けてくれる学生さんたち

 

色々お伝えさせて頂きましたが、一番覚えておいて頂きたいことは、薬剤師さんにとっての当たり前と患者さまの当たり前は同じとは限らないということです。そのための実践として、薬剤師さんになってから、と言わず、今から、まずは「眉が下がる」に注意して普段からコミュニケーションをとる工夫をしてみて下さい。そのうち意識しなくても自然に眉の動きに連動して発話の調整が出来るようになると思います。

 

薬剤師さんになったら…

 

薬局という状況の中にどんな表情・微表情が生じるか、各表情・微表情の意味をどのように捉え、どんな接客、言葉がけに活用していくか、実際に薬剤師になり、現場に立ち、その精度に磨きをかけていって頂きたいと思います。

 

セミナーでお伝えさせて頂いたこと、ワーク・ロールプレイングして頂いたことを意識して、仕事を、患者さまとのやり取りを、同僚や先輩・後輩とやり取りをしてみて下さい。指名される薬剤師さんになれるかも知れません。代替不可能な薬剤師さんになれるかも知れません。

 

座談会では、学生さんとマンツーマンとまではいかなくても多くの現役の薬剤師さんが集まっていました。私は座談会までは出席していなかったのですが、別室で待機されていた薬剤師さんの数や準備された資料から、本当にたんぽぽ薬局さんが熱意を持って薬剤師という仕事を、たんぽぽ薬局での仕事を学生さんに伝えたいという本気度と熱意が伝わってきました。

 

薬局に限りませんが、職場選択は環境第一です。人間関係第一です(某転職サイトの調査によると、転職・退職理由のホンネトップ3以内に職場・人間関係の不満がランクイン…。)。座談会に出席された学生さんは、きっとたんぽぽ薬局さんの働きやすい温かな職場雰囲気をうかがい知ることが出来たと思います。

 

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学生さんたちの机の上にご注目!人事の方が用意してくれた大量のお菓子を学生さんたちと童心に返ってつかみ取り。

 

各日の一言感想です。

 

1月8日(月)名古屋…少人数だったため、お一人お一人をより意識してお話しさせて頂けました。座談会でも詳しく一人一人が自分の想いを伝えやすく、リラックスした雰囲気で参加できたのではないでしょうか。味噌カツ食べ過ぎました。

 

1月21日(日)大阪…沖縄を始め遠方から参加してくれた学生さんもいて嬉しかったです。予定時刻を過ぎても座談会が終わらなかったようで、大変な盛り上がり。たこ焼き食べ過ぎました。

 

1月27日(土)金沢…超真剣なまなざしでセミナーを聞いてくれた学生さん。まだ腹落ちしていない箇所もあるかも知れませんが、ぜひ現場に立って実践してみて下さい。寒ブリ食べ過ぎました。

 

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有名な金沢駅

 

1月28日(日)名古屋…遠方から来られた多くの学生さん、遠方じゃなくてもわざわざ休みの日に時間を割いて来て下さった学生さん、ありがとございます。就職先に様々な迷いがあるようでしたが、こうした就活イベントや座談会に参加されている皆さんなら、迷いながらもきっとベストな選択ができるのだろうな、と思いました。

 

セミナー前や座談会でも説明があったと思いますが、たんぽぽ薬局さんは、物理的な働きやすさ(休暇制度や一つの薬局にいる薬剤師さんの数の多さ、福利厚生)はもちろんのこと、薬剤師(ひと)を育てるための、ユニークなだけではなく、実践的な教育・研修を積極的に実施されている会社だと思います。

 

「薬剤師(   )が育つ、薬剤師(   )を育てる」

 

(   )にあなたのお名前を加えてみてはいかがでしょうか? 

 

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「薬剤師(ひと)が育つ、薬剤師(ひと)を育てる」

 

参加して下さった全ての学生さん、抜群に明るい人事の皆さま、本イベントの段取をして下さったたんぽぽ薬局の全ての方々に感謝です。

 

それではまたお会いする日までお元気で。

 

最後にニュースです!

 

2018年4月22日(日)「微表情から患者さまの心理を読み取るセミナー」1Dayバージョン、名古屋で開催決定しました!対象は新学年の薬学部の学生さんとなる予定です。今回参加して下さった学生の皆様、ぜひ後輩に勧めて頂けると嬉しいです。詳細は、後日お知らせさせて頂きたいと思います。

 

 

清水建二

 

おまけ1

私は食べ過ぎてばかりですね。またダイエット始めなくては…。

 

おまけ2

私は新幹線の移動が好きです。仕事をする場所が変わり(200kmで変わり続ける!)、かつ、気が逸らされることもなく、タイムリミット(名古屋までにこの仕事を終えよう、大阪まではこれを終えようなど)があり、仕事に猛烈に集中できるからです。そんな理由もありますが、新幹線を利用しての出張が多いと「あ、このアテンダントさん、この前、私をアテンドしてくれた同じ人だ」というようなことが起きます。こんな出会いも新幹線移動の楽しみの一つです。知ってる顔は安全。知ってる接客は安心。今月も来月も新幹線に乗れる予定なので、毎月楽しみです。

 

 

2018年4月-9月期空気を読むを科学する研究所主催コーススケジュールのお知らせ

 

空気を読むを科学する研究所で開催させて頂く4-9月期のコーススケジュールを発表させて頂きます。今4-9月期に開催させて頂くコースは3コースです。各コースとも、毎月土曜日各4時間×6回、合計の学習時間は24時間となります。いずれのコースも参加費は97,200円(税込み)です。

 

 

コース名:表情・しぐさ分析総合コース

目的:表情・しぐさを注意深く分析・観察するスキルを身に着け、日常・ビジネスシーンでのコミュニケーション力を高める

講義スタイル:座学3/5、ワーク2/5

参考書:清水建二著『微表情を見抜く技術』(2016/飛鳥新社)、清水建二著『表情のつくり方』(2017/イースト・プレス)、その他

開催日時:4/14, 5/12, 6/9, 7/14, 8/4, 9/8

定員:6名

 

コース名:戦略的インタビューコース

目的:対面コミュニケーションにおいて効率的に情報収集するための戦略的な各種質問方法及び質問の組み立て方を学び、体感する

スタイル:座学1/5、ワーク4/5

参考書:清水建二著『「顔」と「しぐさ」で相手を見抜く』(2016/フォレスト出版)、その他

開催日時:4/28, 5/26, 6/30, 7/28, 8/25, 9/22

参加資格:表情・しぐさ分析総合コース受講済みの方

定員:6名~8名

 

コース名:表情分析エキスパートコース

目的:表情分析のスキルを専門家レベルまで高めることを目指し、専門知の枠組みを習得することを目指す

スタイル:座学4/5、ワーク1/5

参考書:適宜紹介

開催日時:4/21, 5/19, 6/16, 7/21, 8/18, 9/15

参加資格:表情・しぐさ分析総合コース受講済みの方

推奨:TOEIC900点程度の英語力があると課題をスムーズにこなせます(英語に全く自信がない方で本コースの受講を希望される方対象に、本コース受講のための準備コースをご用意いたします)

定員:6名

 

 

なお、各コースとも再受講は可能ですが、振替受講は出来ません(4-9月期の中で講義にお休みされても次回以降の期でお休み分を受講することは出来ません)。欠席分の補講をご希望の場合は、別途個別指導1時間21,600円(2人までの場合)にて承ります。

 

お申し込み開始及び各コースの詳細発表は2月を予定しております。弊社HP・本ブログ・Facebookを適宜チェックして頂ければ幸いです。

 

その他、4月以降開催の公開セミナーの予定は今のところございません。開催が決定次第、本ブログにてお知らせさせて頂きたいと思います。

 

コースに関するお問い合わせは、弊社にお問合せ下さい。

弊社メールアドレス:info@microexpressions.jp

 

 

清水建二

 

微表情ブログ体制変更のお知らせ

 

2017年最後の投稿は、本微表情ブログ体制変更のお知らせについてです。

 

体制変更の具体的内容は、定期配信を止め、不定期配信にする、微表情や非言語コミュニケーションの知識に関する配信よりも空気を読むを科学する研究所の活動に関する配信の比重を大きくする、というものです。

 

2014年の2月からスタートした本ブログは、水・土の週2回の投稿を4年間滞りなく定期的に続けさせて頂きました。来年の2018年から5年目を迎えさせて頂きます。

 

ブログの体制変更の理由は、ブログの配信目的が変わってきたためです。2014年2月に本ブログをはじめた目的は、

 

①微表情をはじめとする非言語コミュニケーションの科学を発信すること

②空気を読むを科学する研究所の活動を発信すること

 

でした。現在もこの目的は生きているのですが、近年②の目的の方が強くなってきました。

 

ブログをはじめた当初は②より①の方が目的の色合いが濃く、『「微表情って」「表情って」「顔って」「非言語コミュニケーションって」こんなに面白いんですよ!』というものを伝えるのが目的だったのですが、①の目的は、近年、ブログよりも、拙著、テレビ・ラジオ・雑誌取材などでの発言、雑誌連載などの方で比重が大きくなってきました。

 

特にブログより書籍の方が体系的に知見や知見と経験との統合を紹介・説明できるため、①の目的を追求するには、今後は書籍や雑誌等の連載(あるいは、コース生・研修生限定テキストの作成)に比重を高めた方が適切だと考えました。

 

そこで本ブログは来年より②の目的を重視することにしたいと思います。具体的には公開可能な空気研の活動の様子やセミナー情報を適切なタイミングで適度な量を発信することに致します。

 

①の目的の記事に関しては、書籍やメディアに掲載しきれなかったこぼれ・おまけ話、掲載を見送ったもの、掲載出来ないもの、掲載を迷っているもの、専門からやや外れたネタ、カットされたもの、などなど周辺的なネタを中心に、非言語やウソ検知、コミュニケーションに関わる書評、ときどきこれまでと同じようなマジメネタ、本当にときどき超専門的ネタ、などを気まぐれに配信したいと思います。

 

本ブログは終了するわけではありませんが、一区切りとして一言お礼の言葉を書かせて下さい。

 

これまで本ブログを定期的にご愛読下さったみなさま、本当にどうもありがとうございました。

 

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

清水建二

面接テクニック・シーズン2④―認知的ウソ検知アプローチ:反予測質問とは?

 

面接テクニック・シーズン2の4回目です。前回は認知的ウソ検知アプローチの3つのテクニックの二つ目、②被面接者に積極的に話してもらうようにする、について説明しました。本日は三つ目、③反予測質問をする、について説明したいと思います。

 

③反予測質問をする

 

「反予測質問をする」とは、質問されるとは被面接者が想定していない質問をする手法です。真実を話す者にとって、予測質問について答えるのも反予測質問について答えるのも同じ程度の認知知的負担を抱えることがわかっています。しかしウソつきにとっては、反予測質問について答えるとき、より多くの認知的負担がかかることが諸研究からわかっています。したがって、予測質問と反予測質問に対する回答を比べることでウソを検出しやすくなるのです。

 

具体的な「反予測質問をする」方法としては、空間に関する質問、時間に関する質問、計画に関する質問が反予測質問になり得ることがわかっています。空間に関する質問とは、例えばモノとモノ、ヒトとヒト、ヒトとモノの位置関係に関して言葉と絵で描写してもらう方法です。実際に見ていない位置関係を描写することは難しいことがわかっています。時間に関する質問とは、時系列のある出来事の開始時間や終了時間、ある特定の時間に関連した行動などを質問する方法です。正直な者とウソつきとでは記憶の描写に偏りが生じます。計画に関する質問とは、ある行動を行う上で通常行うと考えられる計画段階の描写について質問する方法です。例えば、楽しみにしている旅行ならば、どこにいつ訪れる予定か、どんな交通手段を使うか、どの旅行会社をなぜ使うか、などの事項が代表的です。

 

反予測質問の核は、正直な者ならば予測質問も反予測質問も両方とも答えを知っており、そのため周辺的な話題より、中心的な話題に関する質問である必要がある、ということです。しかし、何が反予測質問になるか、いつまで、だれにとってそれが反予測になるかに関しては相対的な問題になります。そのため質問者とウソつきとのイタチごっこになる可能性があるという問題を孕んでいます。

 

以上のように認知的ウソ検知アプローチは様々な長短がありますが、現時点において特別な機器を用いない面接法としては、最も有力視される方法です。極めつけとして、この認知的ウソ検知アプローチを用いれば、例えウソのサインを探そうとしなくても、ウソつきを推定できるということがわかっています。もちろん、ウソのサインについて学び、訓練した観察力の高い質問者が認知的ウソ検知アプローチを使えば、さらに高い精度でウソを検知することが可能だということがわかっています。

 

反予測質問について詳しく知りたい方は、拙著、『「顔」と「しぐさ」で相手を見抜く』(2016/フォレスト出版)がオススメです。たぶん、日本語で反予測質問について体系的に説明した書籍は本書が初だと思います。また専門書以外ではまだ反予測質問について説明している書籍はないと思われます。

 

「顔」と「しぐさ」で相手を見抜く

「顔」と「しぐさ」で相手を見抜く

 

 

反予測質問について説明している専門書に興味のある方は『虚偽検出:噓を見抜く心理学の最前線』がオススメです。ウソ検知に関する専門家レベルの知識を身に着けたい方は必読です。なお、反予測質問についてはp.190~に説明されております。

 

虚偽検出: 嘘を見抜く心理学の最前線

虚偽検出: 嘘を見抜く心理学の最前線

  • 作者: P.A.ギヨンゴビ,A.ヴレイ,B.フェルシュクーレ,P¨ar Anders Granhag,Aldert Vrij,Bruno Verschuere,荒川歩,石崎千景,菅原郁夫
  • 出版社/メーカー: 北大路書房
  • 発売日: 2017/04/13
  • メディア: 単行本
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さて本日をもって、面接テクニック・シーズン2―認知的ウソ検知アプローチを終了します。シーズン3でお会いいたしましょう。

 

 

清水建二

参考文献

Vrij, A., Fisher, R. P., & Blank, H. (2015). A cognitive approach to lie detection: A meta-analysis. Legal and Criminological Psychology. DOI:10.1111/lcrp.12088.