微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

6割は勝つ方法!科学的感情アプローチ法―幸福編

 

本日は、「6割は勝つ方法!科学的感情アプローチ法―幸福編」です。

しかし、、、いつもとは事情がちょっと異なります。ま、取り敢えず、いつもの流れで始めます。

 

幸福とは、どんな感情なのでしょうか。

 

幸福の表情は、口角と頬が引き上がるというものです。幸福は、目標を達成したり、興奮状態をきっかけに引き起こされます。幸福を感じている人は、その幸福状態が続くようにモチベーションを維持したり、新たなモチベーションを誘発させる行為をしたいと思っています。

 

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※本画像の権利は、株式会社空気を読むを科学する研究所に帰属します。無断転載を禁じます。

 

感情というものは、自己のネガティブな状態をポジティブな状態にするために、ポジティブな状態はポジティブな状態を保つために存在しています。自分の感情状態を手掛かりに、どのような行動をとればポジティブな状態になれるのか、ポジティブな状態を維持できるのかを意識・無意識問わず、私たちは考え、行動しているのです。

 

つまり、自身や会話相手のネガティブな状態を、表情や声、その他ボディーランゲージを通して気付き、そのネガティブ感情の機能を理解していたならば、その感情の機能を意識的にサポート、促進させるような行動をとることで、ポジティブな状態に変えることができると論理的に考えることができます。

 

具体的に幸福の場合で考えてみます。

 

幸福はこれまで紹介してきた感情―軽蔑・嫌悪・怒り・悲しみ・恐怖ーと違い、ポジティブな状態を維持するという機能を持っています(ちなみに驚きは、ネガティブでもポジティブでもない「感情」です)。

 

どうやって維持させるか、すなわち、どのように人を笑顔にするのか、という具体例を科学的根拠を基に紹介するのは実は非常に難しいのです。なぜならば、幸福は生きていくうえで最も優先度の低い感情だからです。

 

軽蔑を感じなければ、優位性を比較できません。嫌悪を感じなければ、有害なモノを摂取してしまいます。怒りを感じなければ、目的達成できません。悲しみを感じなければ、大切なモノの順位付けができません。恐怖を感じなければ、危険なモノがわからず死にます。

 

人間は進化の過程で生き残るためにネガティブ情報を正しく認知し、感じ、処理していく必要があった(ある)のです。したがって、ネガティブ感情はその処理プロセスが詳しく研究され、ポジティブ感情は研究の優先度が低かったのです。

 

しかし、そんなポジティブ感情と健康との関係や人間特有のポジティブ感情のナゾに関心が集まり始め、近年、幸福感情を始めとしたポジティブ感情の研究が積極的になされるようになってきたのです。

 

その研究成果はまた別の機会にご紹介させて頂ければと思います。

 

不完全であるゆえに科学、不完全な部分を認めるところが科学なのです。

 

 

清水建二

参考文献

ポジティブ感情についてこれまでの研究を広く紹介してくれています。

笑いとユーモアの心理学:何が可笑しいの?

笑いとユーモアの心理学:何が可笑しいの?

 

 

愛想笑いと本当の笑いとの違いについて7つの指標を紹介しています。

微表情を見抜く技術

微表情を見抜く技術

 

 

注意力テスト

 

本日は皆さんに次のテストに挑戦して頂きたいと思います。

注意力テストです。

 

問題:白い服を着ているチームは何回パスをするでしょうか?

 

 

正解は…何回でしょか?

 

白い服のチームを黒い服のチームが交互にパスをしているために目で追うのはなかなか大変だったと思います。

 

正解は…

 

正解は…

 

9回?10回?11回?12回? 13回ですか?

最初に1回素早くパスをするのを見逃さなければ正解できたと思います。

 

それでは正解を発表します!

正解は13回です!

 

 

…。

 

でも、何か変なこと起きていませんでしたか?

 

ムーンウォークをしている熊に気付きましたか?

 

!?

 

もう一度映像を観てみて下さい。

 

いますよね?ムーンウォークベア。

 

意識しているかしていないかでこんなにも見えている世界が違う、そんなことをこの映像は教えてくれます。

 

微表情も同様です。

その存在を知っていれば見つけられるかも知れません。

知らなければ永遠に目の前の人の顔に浮かんでいる本当の想いに気付けないのかも知れません。

 

センス・オブ・ワンダー

 

 

清水建二

6割は勝つ方法!科学的感情アプローチ法―驚き編

 

本日は、「6割は勝つ方法!科学的感情アプローチ法―驚き編」です。

 

驚きとは、どんな感情なのでしょうか。

 

驚きの表情は、眉が引き上がり、目と口が開かれる、というものです。驚きは、予期していないモノの出現によって引き起こされます。驚きを感じている人は、その驚きを引き起こしている対象や状況ををよく理解しようと情報検索をします。

 

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※本画像の権利は、株式会社空気を読むを科学する研究所に帰属します。無断転載を禁じます。

 

感情というものは、自己のネガティブな状態をポジティブな状態にするために、ポジティブな状態はポジティブな状態を保つために存在しています。自分の感情状態を手掛かりに、どのような行動をとればポジティブな状態になれるのか、ポジティブな状態を維持できるのかを意識・無意識問わず、私たちは考え、行動しているのです。

 

つまり、自身や会話相手のネガティブな状態を、表情や声、その他ボディーランゲージを通して気付き、そのネガティブ感情の機能を理解していたならば、その感情の機能を意識的にサポート、促進させるような行動をとることで、ポジティブな状態に変えることができると論理的に考えることができます。

 

具体的に驚きの場合で考えてみます。

 

営業マンが一押しの新商品の特徴をお客様に説明しています。その商品の特徴は5つ。営業マンは順に丁寧に説明していきます。3つ目の特徴を説明しているときにお客様の眉が上がりました。さぁ、どうしたらよいでしょう。

 

実際の営業マンや接客スタッフの方々の動向を観察させて頂くと、意外にお客様の情報検索シグナル、つまりお客様の眉が上がるのに気づいていない方が多いです。それに気づかず、4つ目、5つ目の特徴に説明の歩を進めてしまい、お客様の顔は上の空、という状態となります。

 

お客様は3つ目の特徴についてもっとよく知りたいのです。情報検索したいのです。

 

「お客様、もう少しこの特徴(3つ目の特徴)について詳しくご説明させて頂けますでしょうか?」

 

驚き感情の機能をサポートするには、驚き表情に気づき、こうした対応を取ることが適切です。

 

営業マンの「話したいこと」とお客様の「聞きたいこと」のギャップを埋める、科学的感情アプローチによってなせる技なのです。

 

 

清水建二

参考文献

相手の感情からニーズを理解し、非暴力的なコミュニケーションを構築していく手法を教えてくれる書籍のご紹介。

NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法

NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法

 

 

そして拙著『0.2秒のホンネ 微表情を見抜く技術』です。微表情を読み、科学的感情アプローチを学びたい方にオススメです。

微表情を見抜く技術

微表情を見抜く技術

 

 

 

 

 

空気を読むを科学する研究所2016年後期公開コーススケジュール

本日は、空気を読むを科学する研究所が個人様向けに開講させて頂く2016年後期スケジュールについてお知らせさせて頂こうと思います。

 

①ビジネスマンに使える「空気を読む力」―微表情から察する相手のホンネ(1日版)

日時:9月8日(木)10:00~18:00

料金:30,000円

詳細&お申し込みは以下のURLをご参照ください。

www.entrelabo.co.jp

 

②表情・しぐさ分析総合コース

日時:10月22日(土)~2017年3月25日(土)13:00~17:00

料金:97,200円

内容:1ヶ月に一回4時間の授業を6ヶ月連続して行います。「表情分析プラクティショナーコース」「表情分析マスターコース」「表情分析ケーススタディーコースⅠ」が統合されたコースです。本年度、個人様向けに実施させて頂く公開講座はこれと③で紹介させて頂く講座のみとなります。表情・しぐさについて体系的に学ばれたい方は本年度では最後のチャンスとなります。

割引情報:

これまで「表情分析プラクティショナーコース」をご受講された方は、本講座を64,800円でご受講頂けます。

これまで「表情分析マスターコース」をご受講された方は、本講座を32,400円でご受講頂けます。

これまで「表情分析ケーススタディーコースⅠ」をご受講された方は、本講座を16,200円でご受講頂けます。

※割引価格でご受講を希望の方は、弊社もしくは清水のアドレスまで直接お問い合わせ下さい。

弊社Eメールアドレス

info@microexpressions.jp

 

詳細&お申し込みは以下のURLをご参照ください。

peatix.com

 

③「表情分析英文読解コース」

日時:10月15日(土)~2017年3月18日(土)13:00~17:00

料金:97,200円

内容:1ヶ月に一回4時間の授業を6ヶ月連続して行います。英語のやり直し講座です。ただし教材の内容が表情分析や心理学に関するものだけで構成されていますので、英語と表情理論について一緒に学べる講座となっております。来年度開講予定の「表情分析エキスパートコース」を受講される前に本講座を受講されることを推奨いたします。

 

詳細&お申し込みは以下のURLをご参照ください。

peatix.com

 

④その他

「表情分析ケーススタディーコースⅠ」を本年度中にどこかで開講させて頂く予定です。スケジュールが確定次第、ご案内させて頂きたいと思います。

 

ご質問やご要望があれば、お問い合わせ下さい。

お問い合わせ先:

info@microexpressions.jp

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

清水建二

 

6割は勝つ方法!科学的感情アプローチ法―恐怖編

 

本日は、「6割は勝つ方法!科学的感情アプローチ法―恐怖編」です。

 

恐怖とは、どんな感情なのでしょうか。

 

恐怖の表情は、眉が引き上がると同時に眉間に力が入ります。そして目は見開き、下まぶたには力が入ります。口角は水平に引かれます。表情全体がこわばっている印象を受けると思います。恐怖は、身体や精神に危険を感じることによって引き起こされます。恐怖を感じている人は、その危険を回避したり、安全を確保する行動をとります。

 

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※本画像の権利は、株式会社空気を読むを科学する研究所に帰属します。無断転載を禁じます。

 

感情というものは、自己のネガティブな状態をポジティブな状態にするために、ポジティブな状態はポジティブな状態を保つために存在しています。自分の感情状態を手掛かりに、どのような行動をとればポジティブな状態になれるのか、ポジティブな状態を維持できるのかを意識・無意識問わず、私たちは考え、行動しているのです。

 

つまり、自身や会話相手のネガティブな状態を、表情や声、その他ボディーランゲージを通して気付き、そのネガティブ感情の機能を理解していたならば、その感情の機能を意識的にサポート、促進させるような行動をとることで、ポジティブな状態に変えることができると論理的に考えることができます。

 

具体的に恐怖の場合で考えてみます。

 

犯罪容疑者の取り調べが典型的ですが、誰かに嫌疑をかけているシーンを想像して下さい(会社で財布が盗まれた、領収書の内容がおかしい、業務上横領の疑いがある…etc)。容疑者に犯行に関連する質問をしたとき、容疑者の顔に恐怖の微表情が浮かぶとします。その人物を犯人だと言えますか?

 

微表情の表出をもって犯人と決めつけるのは早計です。微表情が出た原因、ここでは恐怖の原因を探る必要があります。つまり、「なぜ身体的・精神的な脅威を感じているのだろう?」という視点を持つ必要があります。冤罪になってしまうのが脅威なのか、犯した罪が露呈してしまうのが脅威なのか?どちらの方向性も考えられるのです(微表情を利用したウソ検知は、ここでは十分に説明しきれないので他の機会に譲ります)。

 

微表情の表出から、感情の原因を問うきっかけを発見する、そんな科学的感情アプローチ法としても有用です。

 

 

清水建二

参考文献

本日はいつもの一冊に加え、相手の感情からニーズを理解し、非暴力的なコミュニケーションを構築していく手法を教えてくれる書籍をご紹介したいと思います。

NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法

NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法

 

 

そして、いつもの一冊

基盤としての情動―フラクタル感情論理の構想

基盤としての情動―フラクタル感情論理の構想

 

 

そして最後に私の著書、感情の活かし方を知りたい全ての方へ。

微表情を見抜き、相手の感情に沿う方法を紹介しています。

微表情を見抜く技術

微表情を見抜く技術

 

 

 

2016年8月17日(水)キャリタス就活フォーラムDISCOイベント振り返り

 

本日は、本日開催されましたキャリタス就活フォーラムby DISCO様のイベントを振り返らせて頂こうと思います。

 

場所は、

いつもと違うアングルから…

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東京ビックサイトです。

 

実は2017年に新卒で社会人となる学生さんに贈る最後のセミナーでした。

 

私が担当したセミナーは、2部構成とさせて頂きました。一つは、お馴染み!面接官の空気を読んで面接を突破するセミナーで、もう一つは、いつもとは趣向を変えて、人と接して会社を見極めるセミナーでした。

 

内容を簡単に振り返りたいと思います。

 

【面接官の空気を読んで面接を突破するセミナー】

 

本セミナーの要諦は、

①面接官にポジティブな印象を与えられるようにしっかり準備を!

②面接官のネガティブな空気を読んで会話の流れを円滑に!

というものでした。

 

①でお話したことは、主張―主張の裏付けー行動・体験の解釈でオリジナリティーある回答を作り、一貫した2~3のセールスポイントを形を変えて繰り返すというものでした。

 

一つだけ、解答例をこっそりご紹介させて頂きます。

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②でお話したことは、面接で醸し出された悪い空気の緊急脱出法でした。理解不能表情、受け入れ拒否表情とその対処法をご紹介しました。悪い空気に対処するための応急措置は、会話をストップ!間をつくる、でした。

 

【人と接して会社を見極めるセミナー】

 

本セミナーの要諦は、

①What do you do?=What is your job?=What is your occupation?

②退職理由の大半は、人間関係!

というものでした。

 

普段の面接セミナーでは、面接官の微表情から面接官が学生さんの言動にどう思っているかを見極める内容ですが、本セミナーでは、志望する会社の面接官、OB・OG、その他社員の言動から会社の良し悪し、自分に合うかどうかを見極める内容でした。

 

①では、仕事はあなたのアイデエンティティ!ということをお伝えさせて頂きました。②では、給料とか仕事のやりがいとかよりも実は職場の人間関係のトラブルで大半が退職している現実を知り、どんな質問をすれば自分の志望企業の人間模様が推測できるかをご紹介しました。

 

就職活動も大半の方にとっては大詰め、公務員試験組は、大変ですが、これからがスタートだと思います。陰ながら応援しております。どうぞ、どうか頑張って下さい。

 

 

清水建二

6割は勝つ方法!科学的感情アプローチ法―悲しみ編

 

本日は、「6割は勝つ方法!科学的感情アプローチ法―悲しみ編」です。

 

悲しみとは、どんな感情なのでしょうか。

 

悲しみの表情は、眉の内側が引き上がり、口角が下がり、下唇が上に引き上がる、というものです。悲しみは、大切なモノ・人を失うことで引き起こされます。悲しみを感じている人は、誰かに助けを求めており、失ったモノを取り戻したいと思っています。

 

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※本画像の権利は、株式会社空気を読むを科学する研究所に帰属します。無断転載を禁じます。

 

感情というものは、自己のネガティブな状態をポジティブな状態にするために、ポジティブな状態はポジティブな状態を保つために存在しています。自分の感情状態を手掛かりに、どのような行動をとればポジティブな状態になれるのか、ポジティブな状態を維持できるのかを意識・無意識問わず、私たちは考え、行動しているのです。

 

つまり、自身や会話相手のネガティブな状態を、表情や声、その他ボディーランゲージを通して気付き、そのネガティブ感情の機能を理解していたならば、その感情の機能を意識的にサポート、促進させるような行動をとることで、ポジティブな状態に変えることができると論理的に考えることができます。

 

具体的に悲しみの場合で考えてみます。

 

仕事にミスをした部下が悲しみの表情を浮かべているとします。大切だと思っているものは何でしょうか?自尊心でしょうか?ミスした仕事を大切に思っていたのでしょうか?どちらにせよ、大切だと思うものを守るためにミスを犯さないようになることが予期されますが、具体的に何が大切なモノなのか聞き出すことで、将来のミスを防げる可能性を高めることができます。

 

「ミスした自分が恥ずかしい」と言ったようなセリフが出た場合、自尊心が大切なものの中心でしょう。今後、(自尊心が傷つかないように)あらゆるミスを起こさないように気をつけるだろうことが予想されます。しかしその部下にミスを防ぐ能力があるかどうかはわからないので、ミス防止の策を共に考える、考えてもらう、起こり得るミスについて事前に報告してもらうという策が考えられます。

 

その仕事、タスクそのものを大切だと考えていた場合、ミスをしたことで仕事に対するやる気を失ってしまうかも知れません。特にその仕事が一回きりのプロジェクトだったりするとなおさらです。したがって、同様なタスクに挑戦してもらい、やる気を取り戻してもらうことが必要です。もちろんミスの核となる部分を取り出して、同じようなミスを防ぐために、レポートを書いてもらったり、その部下がミスを起こしやすい部分にはサポートを付け、次のタスクは必ず達成してもらえるようにすることが大切です。

 

 

清水建二

参考文献

感情の機能については様々なレビュー論文や実証論文を一つ一つ丁寧に読み込むことで理解出来ます。

本ブログでそれを取り挙げると膨大な量になるため、ここでは、感情の哲学を知るために適切な一冊をご紹介したいと思います。読み応えのある一冊です。

基盤としての情動―フラクタル感情論理の構想

基盤としての情動―フラクタル感情論理の構想

 

 

そしておなじみの日本初の微表情本!『0.2秒のホンネ 微表情を見抜く技術』飛鳥新社です。

微表情を見抜く技術

微表情を見抜く技術